大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)とは?
先端にカメラが搭載された内視鏡スコープを肛門から挿入し、直腸から盲腸までをリアルタイムで観察します。この方法により、大腸内の炎症やポリープ、腫瘍、がんなどの異常を高精度で確認でき、他の検査よりも優れた色調変化や粘膜面の変化を画像で捉えることができます。大腸がんの罹患率は男女とも40歳代から増え始め、年齢を追うごとに罹患率が高まるため、大腸カメラによる早期発見・治療が重要です。また、がん化リスクがある大腸ポリープを検査中に取り除くことで、将来的な大腸がんの発症予防に繋がります。大腸カメラを受けることを“恥ずかしい”と感じられる方もいますが、検査時には専用のハーフパンツを着用することで下腹部を隠すための配慮を十分行い、また当院では女性看護師が随時サポートいたしますので、女性の方も安心して検査を受けていただけます。検査についてお悩み中の方のご相談も承りますので、どうぞお気軽ご来院ください。
大腸カメラを
お勧めする方
大腸カメラで
見つかる病気
大腸カメラの
検査時間は
どのくらいかかる?
検査の所要時間は個人差がありますが、通常は15分~20分程度です。ただし、検査当日には検査の時間を含め、鎮痛剤や鎮静剤(静脈麻酔)を使用した場合には、検査後にリカバリールームで30分~1時間ほどお休みいただく必要があります。さらに、組織検査やポリープの切除を行う場合は、通常の検査時間よりも長くかかることがあります。また、検査当日は、ご自宅または院内において、下剤の含まれている水(腸管洗浄液)を服用していただきます。その場合、検査予約時間の3~4時間ほど前から服用を始め、大腸をきれいにする必要があります。
当院の大腸カメラの特徴
検査当日の下剤は「自宅飲み」または「院内飲み」のどちらでも選択可能
大腸カメラを受ける際は、検査の事前準備として下剤の成分が入った水(腸管洗浄液)を少しずつ内服し、腸内の便を完全に出し切って、腸内をきれいにしなければなりません。当院では検査当日朝からの下剤(腸管洗浄液)の服用については、①ご自宅での服用、②院内での服用、のどちらでも選択いただけます。事前の検査説明の際に、ご自身にどちらでの服用が適しているかを検討した上で決定していただきます。また、ご不明点などがあれば、医師や看護師にご質問ください。
① 自宅で下剤を服用したい方
下剤の内服や内服後の排泄を安心できるご自宅で行える点はメリットです。便が検査に問題ない状態になるまでに、3〜4時間程度必要です。 事前の検査説明の際に、服用法や服用開始の時間などについては資料を用いて説明させていただきます。
② 院内で下剤を服用したい方
当院では下剤を服用いただく専用スペースを設けております。 下剤服用中に気になることがあればいつでも院内のスタッフに質問できる点はメリットです。ただし院内での服用ご希望の方は、午前9時にご来院いただき服用を開始していただきます。以下に該当する方は遠慮なくご相談ください。
- 初めて大腸内視鏡検査を受けるので不安がある。
- 自分一人で内服できるか不安がある。
- 自宅からクリニックまで距離がある。
- 自宅から来院できるか不安がある。
- 腸内がきれいになったか判断できる自信がない。
下剤(モビプレップ)について
モビプレップは、大腸カメラの前処置として使用される腸管洗浄剤です。検査前に腸内をきれいにすることで、正確で安全な検査が可能になります。
モビプレップは、指定された量(通常は1~1.5リットル)を、コップ1杯ずつ、10~15分ごとの一定のペースで飲んでいきます。
服用後は、数時間かけて排便を繰り返すことで腸内が洗浄されます。味は、甘じょっぱく、やや濃い梅ジュースのような風味です。飲みにくい場合は、冷やすなどの工夫をしても構いません。
また、脱水を防ぐために、水やお茶などの透明な水分も適宜一緒に摂取してください。
用法・用量を守って正しく服用していただくことで、安全かつ効果的に腸内をきれいにすることができます。検査を受けられる方は、お渡しする資料に記載された説明に従い、指示通りにご使用ください。
なお、モビプレップを1リットル程度服用してもまったく排便がない場合や、服用中に強い腹痛・嘔吐などの症状が出た場合には、すぐに当クリニックまでご連絡ください。
胃カメラと大腸カメラの同日検査が可能
当院では胃カメラと大腸カメラを同日に受けることができます。これにより、検査前日の食事制限が1回で済み、来院回数や制限が減るため、忙しい方や制限が負担に感じる方には適しています。検査当日の下剤はご自宅、院内のどちらで飲んで頂いても構いません。ただし、同日に両方の検査を受けられるかどうかは医師の判断によりますので、ご希望の際は一度ご相談ください。
鎮静剤を使用することで、眠っているようなリラックスした状態での検査が可能
当院では患者様の負担を軽減するために、鎮静剤や鎮痛剤を使用した大腸カメラを実施しています。鎮静剤を使うことで、眠っているようなリラックスした状態での検査が可能です。もちろん鎮静剤や鎮痛剤を使用せずに検査を行うことも可能です。ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご質問・ご相談ください。
炭酸ガスを使用することで、
検査後の腹部膨満感を軽減
大腸カメラでは、腸を膨らませるためにスコープ先端から気体を送気することで、曲がりくねった大腸や深いヒダの部分を引き伸ばし、詳細に観察することができます。空気を送気すると検査後に腹部の膨満感が残ることがありますが、当院の内視鏡検査では吸収が早く安全性の高い炭酸ガスを使用しているため、検査後の不快感、腹部膨満感が迅速に軽減されます。炭酸ガスは体内で二酸化炭素として吸収され、最終的には呼吸を通じて排出されるため、体内に残ることはありませんのでご安心ください。
最新の
次世代内視鏡システムを導入
当院では、早期発見に優れた効果を発揮する最新の内視鏡システム「ELUXEO 7000」を導入しています。このシステムは、4つのLED光源、高度なレーザー技術・画像処理・解析を駆使することで、さまざまな観察モードを使い分けることができます。その結果、微細な病変や通常の光では発見が難しい早期がんも早い段階で見つけることが可能です。
BLI(BlueLASERImaging)
特殊な光を使うことで、粘膜の表面にある毛細血管の状態や分布、粘膜の構造をよりはっきりと見えるようにします。がん細胞は増殖するために周りに血管を集める特徴があります。そのため、粘膜の毛細血管の分布を調べることで、通常の光では見逃しがちな微細な早期がんを発見しやすくなります。
LCI(LinkedColorImaging)
赤い部分のわずかな違いを強調する画像処理を行うことで、炎症や早期がんを短時間で正確に評価することができます。
検査中に発見した大腸ポリープはその場で切除可能
大腸ポリープは通常良性ですが、放置すると“がん”に変わることがあります。そのため、当院では検査中にポリープが見つかった場合、1cm以下と小さく、良性と判断したものについてはその場で切除を行うことがあります。ただしポリープの質やサイズ、数などによっては当院での切除は行わず、専門医療機関での治療が必要な場合もあります。その際には、ご希望を伺い、提携先の医療機関を紹介させていただきます。
大腸カメラの流れ
検査予約・事前診察
大腸カメラのご予約は、WEB予約またはご来院にて承っております。いずれのご予約の方も初回の受診時に問診・診察・検査内容や注意事項などについての説明をさせていただきます。またその際に、ご自宅での下剤(腸管洗浄液)服用をご希望の方には下剤のお渡しもさせていただきます。なお大腸カメラのご予約の場合は、実際の検査希望日の4日前までには必ず1度ご来院いただき、診察・説明等をお受けいただく必要がありますのでご注意ください。
検査前日
夕食は消化に負担のかかる食材を避け、午後8時までにお済ませください。検査の2日前からは、ひじき、わかめ、きのこ類、こんにゃく、種が多いイチゴやキウイなど、繊維質を多く含む食品は控えてください。また、早めにお休みいただき、体調を整えるよう心がけてください。
内服薬(普段飲んでいるお薬)につきましては普段通りに内服いただいて構いません。
検査当日
当日は朝から検査終了まで食事は摂れませんが、水分(水・お茶)の摂取は可能です。タバコはお控えください。朝・昼の内服薬(普段飲んでいるお薬)につきましては基本的には普段通りに内服いただいて構いませんが、以下の項目に該当する方はご注意ください。
糖尿病の薬(血糖を下げる薬)の内服やインスリンを投与されている方
- 当日の朝は中止して来院ください。
- 糖尿病で血糖値が不安定な方は絶食の影響で低血糖症状(冷や汗、ふるえ、意識障害)を起こす可能性があります。ご不安でしたら飴やブドウ糖などをお持ちください
血がサラサラになる薬(抗血栓薬)を内服されている方
- 当日朝も普段通りに薬を飲んでください。自己判断での休薬は危険ですのでおやめください。
- 内服を継続された状況においては、検査医が生検やポリープ切除術を行うか否かを判断します。
- 大腸をきれいにするための下剤(腸管洗浄液)は、当院では約2リットルを数回に分けて服用する下剤を使用します。事前にお渡しする資料を参考に服用ください。
検査
ご来院後、便が透明になったかを確認させていただきます。もし便が残っている場合は、追加で下剤を服用していただくことがあります。その場合、検査開始時刻が遅れることがありますので、ご了承ください。また、便が多く残っていると、十分な観察ができない可能性もあります。検査中に鎮静剤(静脈麻酔)を使用する場合は点滴で投与します。検査時間は通常15~20分程度ですが、ポリープが見つかった場合には、その場で生検や切除を行うこともあるため、検査時間が延びることがあります。
検査後
検査後は、通常1時間程度で飲食が可能になりますが、刺激物は避け消化の良いものを摂取してください。また、激しい運動や長風呂は避けてください。
鎮静剤(静脈麻酔)を使用した場合は検査後の自転車や自動車、バイクの運転はできません。そのため、ご帰宅時は徒歩または公共交通機関での移動をお願いいたします。またその場合は、可能な限り付き添いの方が同伴されることをお勧めします。
ポリープを切除した場合は、傷の回復に時間がかかるため、7日間程度は飲酒や激しい運動、旅行、出張などはお控えください。
以上の点を踏まえて検査の日程を調整していただけますと幸いです。もし検査後に気になることや疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
大腸カメラの料金
(3割負担)
1割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
大腸カメラのみ | 約2,000円 | 約6,000円 |
大腸カメラ+病理組織検査 | 約3,000~5,500円 | 約9,000~16,500円 |
日帰り大腸ポリープ切除 | 約6,500~10,500円 | 約19,500~31,500円 |
担当医師


消化器内科(内視鏡検査担当) 田島 知明Tashima TomoakiM.D.,Ph.D.
経 歴
2000年 |
ラ・サール高校 卒業 |
---|---|
2002年 |
久留米大学医学部 医学科 入学 |
2008年 |
久留米大学医学部 医学科 卒業 |
2008年 | 熊本大学医学部附属病院 初期臨床研修医 |
2010年 | 熊本大学医学部附属病院 消化器内科 後期臨床研修医 |
2011年 | 国立病院機構熊本医療センター 消化器内科 医員 |
2013年 | NTT東日本関東病院 消化器内科 医員 |
2017年 |
埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 助教 |
2020年 |
埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 講師 |
2023年 |
埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 准教授 |
2025年 |
埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 客員准教授 |
資格・
所属学会
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
- 日本消化器病学会専門医・指導医・関東支部評議員
- 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員・関東支部評議員
- 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- Fellow of JGES (FJGES)